YouTubeの台本作成、あなたは何のソフトを使っていますか?
多くの人がパソコンに標準で入っている「メモ帳」を使っているかもしれません。手軽で便利ですが、こんな「小さなストレス」を感じたことはありませんか?
- 登場人物が増えると、誰のセリフかぱっと見で分かりにくい…
- YMM4(ゆっくりムービーメーカー4)の字幕文字数を考えながら書くのが面倒…
- いちいち文字数を数えたり、プレビューして修正したりするのが手間…
実はこれらの悩み、無料で使える「Visual Studio Code(以降VSCode)」というソフトを少し設定するだけで、劇的に改善できるんです。
この記事では、台本作成が驚くほど効率的になるVSCodeの簡単な設定を2つご紹介します。PCに詳しくなくても大丈夫。この記事を読めば、すぐに実践できますよ。
なぜ台本作成にVSCodeがおすすめなのか
「VSCodeって、プログラマーが使う難しいソフトじゃないの?」
そう思う方もいるかもしれませんが、心配は無用です。YouTubeの台本作成においても、VSCodeは最高のパートナーになってくれます。
メモ帳やWordと比べて、VSCodeをおすすめする理由は以下の通りです。
- マイクロソフト製なのに完全に無料で使える
- 動作が非常に軽く、長文の台本でもサクサク動く
- これから紹介する機能で、YouTube台本作成に特化した自分だけの環境を作れる
今回は難しい知識は一切不要です。誰でもできる簡単な設定だけを紹介するので、安心してください。
設定1:登場人物が一目でわかるプラグインHighlight
複数の登場人物が会話する台本だと、誰のセリフか追いかけるのが大変ですよね。この設定を使えば、登場人物の名前を色付けして、誰のセリフかを直感的にわかるようにできます。
導入ステップ1:Highlightをインストールする
まずはVSCodeに「Highlight」というプラグイン(拡張機能)を追加します。
- VSCodeの左側にある四角いアイコン(拡張機能)をクリックします。
- 検索窓に「Highlight」と入力します。
- いくつか候補が出てきますが、同じ名前のプラグインを探して「インストール」ボタンをクリックします。

これだけで準備は完了です。
導入ステップ2:設定ファイルに登場人物を登録する
次に、色付けしたい登場人物の名前を登録します。
1.設定画面を表示する
VSCodeの画面左下にある歯車マークをクリック→「設定」を選択します。

2.設定ファイルを表示する
設定画面が開いたら、画面右上にあるファイルのアイコン(マウスカーソルを合わせると「設定(JSON)を開く」と表示されます)をクリックします。

3.
setting.jsonファイルを修正する
settings.json
という設定ファイルが開かれるので、以下のコードをコピーして、{ }
の中に貼り付けてください。(すでに何か書かれている場合は、最後の ,
の後に追加します)

"(霊夢)": [
{
"color": "#000",
"backgroundColor": "#e60012"
}
],
"(魔理沙)": [
{
"color": "#000",
"backgroundColor": "#f5f500"
}
]
"text"
の部分に登場人物の名前、"backgroundColor"
に好きな色コードを指定すれば、あなたのチャンネルのキャラクターに合わせてカスタマイズできます。これで、台本に「霊夢」や「魔理沙」と入力するだけで、自動で色がつくようになります。
注意点と対策
このHighlight機能には一つだけ注意点があります。それは、1つの設定で登録できるキーワードが250を超えると、それ以降のキーワードに色がつかなくなるという点です。
対策はシンプルで、「台本を切りの良いところで分割する」ことです。ちょっと面倒ではありますが、これさえ守れば、非常に快適な台本執筆環境が手に入ります。
設定2:文字数カウント不要のデフォルト機能 縦線
YMM4の字幕は、1行あたりの文字数が多すぎると読みにくくなってしまいます。かといって、毎回文字数を数えるのは骨が折れる作業です。
VSCodeの「Rulers(縦線)」という標準機能を使えば、この手間を完全になくすことができます。
設定方法
設定はとても簡単です。先ほどのsettings.json
ファイルに、以下の1行を書き加えるだけです。

"editor.rulers": [25, 50, 75]
これを書き加えて保存すると、エディタ上に25文字、50文字、75文字の位置にうっすらと縦線が表示されるようになります。
具体的な活用法
例えば、あなたの動画の字幕を最大3行表示、1行あたり約25文字にしたいとします。
その場合、この縦線を「1行目」「2行目」「3行目」の折り返しの目安として使うことができます。

- 1本目の線(25文字)までに書けば1行に収まる
- 2本目の線(50文字)までに書けば2行に収まる
- 3本目の線(75文字)までに書けば3行に収まる
このように、台本を書きながらリアルタイムで文字数(行数)の感覚が掴めるため、「YMM4に取り込んでみたら文字数が多すぎて修正」といった手戻りを防ぐことができます。
まとめ:地道な作業こそPCスキルで効率化しよう
今回は、YouTube台本作成を効率化するVSCodeの便利な設定を2つ紹介しました。
- Highlight:登場人物のセリフを色分けして、台本の視認性を格段に上げる
- Rulers(縦線):字幕の文字数管理を楽にして、修正の手間をなくす
YouTube運営には、動画編集のような華やかな作業だけでなく、こうした地道なPC作業が数多く存在します。そして、ちょっとしたPCツールや設定を知っているかどうかで、作業効率は天と地ほどの差が生まれます。
難しい動画戦略を学ぶ前に、まずはこうした「誰でも今日からできる効率化」を試してみてはいかがでしょうか。そこで生まれた時間で、あなたの動画はもっと面白くなるはずです。